2021/10/13

 書史を学ぶために体を横たえる、このとき初めて全世界の閉域からの逸脱を覚える、かすかな雨が地に突き刺さって、歩くことをむずかしくする、ご覧なさいこの体この血この視神経は絶えず衰え、かれらは広がってゆく、ぼくの手に負えない、おぞましいイメージも虚無から虚無へ行き来する、この通りのおぞましい心象を裂いて、肉を超えた青いぬめりに手を入れて、最初から始めようとするんだ、ひとごろしをころしてころすことをころしてかれらはあたたかいきもちになっていつまでもいきられないことが冬の結晶のめくれあがる破裂、(それはスローモーションで光の質と量も)、破絶、という造語の不快をぼくは知った、どんな悲しみも溶鉱炉の前では、遥か遠くの星の屑にもなれない、血の匂い、甘くて、道を知らない、切り取ることでさらに失われる風景は、何も求めてないからずっと見てられる川が流れる水は淀む叛逆する空はずっと変わり続けてあるから変わらない、ぼくの部屋は小さく打ちのめされた、遠くでだれかが呼んでいる、呼んでいる。